看護師が転職する時に引き継ぎをするのが一般的であるが、引き継ぎ用のノートを作らず後任者に直接教える、後任者が分かりづらい自分用の簡単なメモを残していくという人も少なからずいるだろう。
口頭で伝えて重要な業務が滞りなく実施できれば問題ないが、転職する人が伝えたつもりになっており後任者に伝わっていないと、周りの同僚や患者が迷惑を被る事態になる可能性が高くなる。後任者が何をすればいいのか分からず周りに聞くと、その分同僚は自分の仕事に取り掛かる時間が少なくなるのだ。
患者の症状や急変するリスクについて記録が残っていない場合、患者の容体が悪化しても対処が遅れてしまうリスクが考えられる。患者家族とのトラブルやどのような関わりがあるか文字で残っていると、同じような状況になることを事前に防ぐことができる。また、後任者が過去に起こった患者の症状の変化やトラブルについて知っておくことで、日々の業務に対する心構えが出来る。
転職する前に引き継ぎができれば分からない点について直接教えることができるが、後任者が決定するのに時間がかかると直接会って引き継ぎ出来ない可能性もありうる。直接会えないということは簡単なメモ書きすら残っていない場合、前任者が何も業務内容について引き継いでいないということになる。
時間がなくても毎日の仕事の流れや患者の特徴や急変のリスクなどについて一言メモを残しておくことで、後任者が何をすれば良いのか呆然とすることなくスムーズに仕事に取り掛かることができる。